しろぼうずのブログ

こんにちは。しろぼうずです。 このブログでは日々の生活で実践してみてちょっと役立った事や知っているとお得な事をなんとなく載せていきます。 私は普段はある福祉の複合施設の施設長をやっております。 そのため介護保険サービスや仕事する上で知った生活の知恵や制度の隙間・裏ワザをちょっと見てきました。お役に立てれば幸いです。

認知症デイとは?

認知症デイと呼ばれるものです。

この介護サービスを利用するには2つ条件があります。

一つ目は認知症と診断がついている事

二つ目は利用者と認知症デイが同じ市町村の住所にある事

条件としてはグループホームと似た感じです。

ケアの姿勢も似ています、認知症の方は物忘れやこれまで出来ていたことが出来なくなる中核症状と呼ばれるものの影響で色々な周辺症状が出てきます。自分が今どこにいるか分からなくなるとウロウロと歩きまわったり不安を訴えたり落ち着きがなくなります。

そうした不安という感情をできるだけ発生させずに過ごさせる事で症状の緩和を図るのが認知症デイです。通常のデイや大人数が来るデイでは送迎時の細かな気配りや自宅の中に入っての軽介助なども基本しません。何人もその送迎ルートで連れて行かなければならなので一人一人に時間をかける事が難しいのです。認知症デイは1日の利用定員が12名までです。そのため一人一人をしっかりと観察し細かなケアを行います。

利用者が認知症である場合、大勢で動きの速い状況・環境下におかれることは混乱を招きストレスになります。通常のデイに何年も通っても落ち着かない人が認知症デイに通い4カ月低度で落ち着きを見せ始める事は良くある事です。このブログを見ている方で認知症の方を介護しており落ち着きが無くて困っている方は認知症デイの利用を考えてみても良いと思います。認知症デイを利用する方は在宅と施設のギリギリで生活している方が多いです。家族がギブアップしたらあとは施設行きという方が多く家族への配慮は欠かせません。質の高い認知症デイの職員は送迎時の一言や気遣い、介護の限界点などの見極めなど介護の道筋を提示してくれます。そうした生活の状況をケアマネに送りそろそろ施設かもしれない、などの考慮の助けになってくれます。そうした介護の質を担保されている事で認知症デイは通常のデイよりも数が少ないです。料金も通常のデイよりも高めに設定されています。

あたりまえの事ですが家族は自分の家族を施設に送る事に抵抗があります。そのためギリギリの状況であっても家族はなかなか施設入居への動きが進みません。理屈ではもう施設しかない状況であるのは分かっていても感情で見捨ててしまう様な気持ちになり判断できないのです。そうした時は外部の力に頼りましょう、ケアマネや認知症について見識ある支援者や事業者は説得してくれます。自分では分かっていても踏ん切りがつかない時にそうした外部の説得を利用する事は決して悪い事はありません。また早めに施設に入る事は悪い事でもありません、まだ本人が楽しめる力が残っているうちに入居すれば行事や交流関係も築く事ができます。必要な介護が出来ず自宅でボロボロになっていくよりも本人にとっても安全ではあります。

グループホームとは

認知症対応型共同生活介護という長くて分かりにくい介護施設があります。

通称グループホームといいます。

私の管理している施設にもグループホームがあります。このグループホームはどんな施設でどんな方が入居出来るかお話しします。

このグループホームは入居するには前提条件があります。

一つ、認知症と診断がついている事。

二つ、入居者の住所とグループホームの住所が同じ市町村である事。

一つ目の条件は名称にもある通りグループホーム認知症の方が出来る事や役割を持ち共同生活する事で残された機能を維持し認知症の症状を緩和する役割を求められている施設だからです。診断の証明は医師の診断書の場合もありますが介護度がついていれば主治医意見書というものが市役所に保管されています。主治医意見書の情報開示は100円かからない事も多いです。在宅介護をしていた場合はケアマネが付いているでしょうしケアマネは良く主治医意見書を役所から開示してもらってますし、相談してみても良いかと思います。

二つ目の条件は同じ市町村の住所でないと基本入居出来ません。もし遠方の親を自分達の近くのグループホームに入居させたい場合は最初に住所を移し近くのショートステイを使ったり、市町村に相談したりとひと手間が増えます。

グループホームは地域密着型と云われるモノで市町村が介護事業計画を基に何ヶ所設立を認めるかなどが定められています。その後に色々な法人が手あげをしてグループホーム運営に名乗りをあげます。新たにグループホームの建設計画が市町村になければ建ちません。このような設立過程があるのである程度の介護の質が担保されています。

料金も基本料金は介護度別の全国一律で同じです。居室料や食費や管理費などが施設により違いますのでそこが料金の差となります。

入居については緊急性や必要性が問われます、入居申し込み順ではありません。しかしながらある程度入居判定の点数をつけますが法人や経営者の判断で決まる事もあるようです。現場管理者の判断なども影響します。特に夜寝ない利用者の場合や徘徊がある場合嫌がられる事もあります。(認知症対応型なのに徘徊のある方はちょっと…などと言って断る本末転倒な施設もあります)

グループホームは施設によって本当に色がでます。ただ入居者を預かっているだけの所もあれば本当に色々な取り組みをしている施設もあり絶対見学や取り組みの聞き取りをしましょう。経営者が他の業界から人だったり、営利企業の関連は当然ながら利益を出さなければならないので色々な所で節約されます。見学時に掃除は行き届いているか、尿臭はしないか、食事量は、スタッフの表情は、などよく観察しましょう。

介護施設の種類と特徴

高齢者・介護の施設の特徴をまとめてみました。

いろいろな施設がなりすぎて迷われる事かと思います。

ケアマネでもすべての施設の内情に詳しいわけではありませんのでやはり自分で施設に見学に行き施設の相談員から詳細を聞く事をお勧めします。

 

養護老人ホーム

介護度・年齢:自立・65歳以上

特徴:生活保護を受けている、又は低所所得者で、自宅で生活できない方が対象。

費用(目安):

入居時 なし

月額 0~10万円

その他 日常生活に必要な雑費

 

・ケアハウス(軽費老人ホーム)自立型・介護型

介護度・年齢:自立~要介護5

特徴:収入によって利用料金が変動する

費用(目安):

入居時 0~数百万円

月額 10万~20万円

その他 介護サービス費など

 

サービス付き高齢者向け住宅

介護度・年齢:自立~要介護3

特徴:安否確認や生活相談サービスが提供される

費用(目安):

入居時 0~数十万円

月額 10万~30万円

その他 清掃、洗濯などの費用 介護サービスは別途契約

 

・在宅型有料老人ホーム

介護度・年齢:自立~要介護3・60歳以上

特徴:外部ヘルパーやデイサービス等の利用も可能

費用(目安):

入居時 数十万円~数千万円

月額 10万~25万円

その他 医療費、おむつ代など、介護サービスは別途契約

 

・介護付き有料老人ホーム

介護度・年齢:自立~要介護5・65歳以上

特徴:食事、排泄、入浴などの介護サービスが提供される

費用(目安):

入居時 0~数千万円

月額 10万~30万円

その他 医療費 おむつ代など

 

特別養護老人ホーム介護老人福祉施設

介護度・年齢:要介護3以上

特徴:多床室(相部屋)と、ユニット(10人程度を一つのグループとした)個室もあり看取りも多く実施されている

費用(目安):

入居時 なし

月額 8万~14万円

その他 医療費、理美容、レクリエーション、嗜好品など

 

・地域密着型小規模特別養護老人ホーム

介護度・年齢:要介護3以上

特徴:施設と同一市町村に住民票がある方が対象

費用(目安):

入居時 なし

月額 8万~14万

その他 日常生活に必要な雑費、娯楽費など

 

介護療養型医療施設

介護度・年齢:要介護1以上・65歳以上

特徴:介護度が高い方向けで、医師や看護師などによるリハビリ、医療、看護ケアを受けられる

費用(目安):

入居時 なし

月額 8万~25万円

その他 日常生活に必要な雑費

 

・介護老人保健施設

介護度・年齢:要介護1以上 65歳以上

特徴:在宅復帰ができるようにリハビリを行う施設。医師、看護師、リハビリ職、管理栄養士等が常駐

費用(目安):

入居時 なし

月額 8万~14万円

その他 日常生活に必要な雑費

 

グループホーム認知症対応型共同生活介護

介護度・年齢:要支援2以上

特徴:施設と同一の市町村に住民票がある方、認知症と診断された方が対象

費用(目安):

入居時 0~50万円程度

月額 10万~30万

その他 医療費 おむつ代など

 

※対象介護度や年齢は原則であり施設によっては違う事もあります。利用料金も目安です。幅が大きいのは軽減制度などの関係もあります。軽減制度の活用については後ほど記事に書きます。

施設の選び方

施設に入所する事になった場合の注意点です。

施設と言っても非常に多くの種類があり困惑すると思います。

後ほど施設の種類や注意点や料金などをまとめますがどの施設でも共通して注意しておいた方が良い事をお話します。

施設入居を考えるタイミングが重要です。自宅で介護していて介護疲れが溜まり介護者が倒れる・・そんなギリギリになってからはダメです。なぜならその時に空いている施設にしか入れないからです。空きが出るまでショートステイで空き待ちという方法もありますが費用もかかりますしショートステイも長期で空いているとも限りません。

自宅で介護にたずさわるようになったら施設の見学は早めにすませておいた方が良いです。

施設の種類によって入所できる場合と出来ない場合があります、ギリギリではそうした条件などが理解できない事が多いです。特養とはどんな施設でどんな人が入るのか、グループホームとはいくらかかるのか、有料老人ホームとはなんなのか、違いは?などなどギリギリでは覚える事が多すぎて訳がわからなくなると思います。

少しづつケアマネから聞き取りし見学し備える事が大切です。少なくとも特養とグループホームがどういった施設かぐらいは知っておいた方が良いです。

実際に施設に見学・申し込みに行くときの注意点ですが。

1 、電話で施設に問い合わせをかける「自宅介護をしているのですが施設見学に行きたいのですが」

2 、訪問見学日を決める。この時にきちんとした施設なら管理者や相談員といった調整力持った人が対応してくれます。アポがないと現場職員が対応する事もあり満足行く見学になりません。

3 、見学し 料金 看取り 自由度 などの事をきちんと聞く。施設によってかなり違いがあります。しっかりと聞き取りしましょう。そして気に入り入居申し込みしたら施設側で検討会議をします。この入居の検討会議で誰を次に入居させるか決まります。グループホームや特養は入居判定の会議の際に点数をつけます。どれだけ緊急性があるかどうかを判断します。グループホームや特養は申し込み順ではなく緊急性や必要性で入居の可否を検討する事になっています。一応。

事前にまとめておいた方が良い事としては

・入居する利用者の性別、年齢、介護度、使っている介護サービス

・支払い能力、保証人

・どれだけ今困っているか

・医療的な処置の有無

・夜寝るかどうか

などを施設側に説明します。

特に施設側の現実として夜寝るかどうか、認知症の症状、他の入居者と生活出来るかなどの要素も考慮されます。

ですが介護施設側は認知症などの対応は慣れてますので家族さんが困っているレベルの症状では大丈夫な事も多いです。

良く施設側やケアマネと相談しましょう。

医師に自宅に来てもらう居宅療養管理指導

利用者の中には受診拒否する方がいます。

とっても多いです。認知症の方、寝たきりの方など病院へ連れていけない状況の方は医師などが自宅に訪問してくれ指導してくれる居宅療養管理指導の導入もを検討すればよいかもしれません。

こちらは介護保険適用の場合や違う場合などちょっと分かりにくくなっています。訪問診療や往診などと正確には違うものですし医師が関わるサービスは介護保険給付における制限や行政の指導制限などが及ばない事も多い事が分かりにくさに拍車をかけています。

なので利用者・家族が覚えておくべきこととしては。

なにかの理由で受診に連れて行けない。薬も飲めていない。などの場合に担当の主治医に相談する、もし主治医と話す機会がないのであればケアマネに相談する。

お金はいくらかかるかきちんと聞く。お金の事はケアマネではなく来てくれる事業所と確認する(事業所によっては交通費や別費を取る所もあります)

行ってくれる事を確認する。(医療行為は基本行わないです)

などです。

居宅管理指導は介護保険ですが介護保険限度額を超えても保険が効くというなんだかよくわからない制度となっています。

訪問回数は月に2回までが基本限度となっています。

医師が自宅に来るメリットにひとつとして入院までは割とスムーズという事があります。最近の医療入院に関する情勢や現状でなかなか入院できない場合があります。特に急性期病院では認知症の為の廃用や家族のレスパイトでの入院はさせてくれることが少ないです。受診時に家族が病院の面談診察に時に意向を上手に伝えられない事も多く自宅ではこれ以上はちょっと危険だなと考えられる状態でも入院できず自宅に帰され状態がボロボロになっていく例もあります。医師が日常からその世帯の状況と関わっていると自宅では危険と判断してくれ病院に紹介連絡などしてくれる時や自分の勤めている病院に入院手筈を整えてくれる事もあります。やはり医療系、病院の機能活用の為の影響力・発言力は医師が絶大です。ときどきケアマネに相談して手筈を整えてもらおうとする場合もありますがケアマネの場合は病院との交渉なども病院の相談室を通しての事が多く時間も段取りもスムーズではありません。まだ直接家族が病院や医師に訴える方が効力はあります。ですので医師には医療的な事だけではなく生活環境や家族の状況や介護負担・介護力の事なども出来るだけ話しておくことをお勧めします。

訪問リハビリの心得

訪問リハビリは理学療法士作業療法士などのリハビリ専門職が自宅を訪問して機能訓練やリハビリ指導を行ってくれます。

料金は介護度ではなく時間で決まります。だいたい40分くらいを週2回という設定が多いです。訪問リハビリは1週間で合計120分が基本的な上限となっています。(様々な理由によりもっと利用する事はできます)

通所リハビリと同じく機能訓練を行う事で生活の向上を目指していますが訪問介護と違ってオムツ交換や入浴介助などは行いません。また自宅内の動作上で必要な環境整備の助言をしてくれます。(ここに手すりが必要だ、歩行器が必要だなど)

通所リハビリと同じ事ですが病院でのリハビリとは密度が違います。限られた時間内でリハビリの効果を発揮するには指導力や説明力が大切です。

リハ職が訪問して付き添いながらリハビリする時間は限られています。そのため訪問時に自分でも日常的に注意する点、動作や力の入れ方などの意識などを本人と支援する周囲の人たちに指導します。その時に上手に指導や説明が出来るリハ職とただ付き添いリハビリをするだけのリハ職では状態の回復とその後の生活の質の向上度が違います。ただ教科書や専門書に載っているように説明するのではなく利用者、家族の理解力やその時々の心情などの要素も考慮して指導説明出来るリハ職が本当に実力のあるリハ職です。それにはコミュニケーション力や社会経験などが必要です。新卒で訪問リハに、配属される事はまずないでしょうが事業所によっては人材不足で利用者、家族とあまり相性が合わないところもあるかもしれません。

通所リハと同じく訪問リハも卒業を目指します。訪問リハを卒業し通所リハに行くようになるのが一般的ですが事業所によってはそのまま何年も利用出来るところもあります。その法人や事業所の方針に卒業は左右されますのでケアマネとよく相談しましょう。

制度的には訪問リハと通所リハの併用は良くない事とされています。制度意義的にはリハビリを受けたいが通所できない心身の状態や状況の方が訪問リハビリを利用し補う事となっています。ただ退院直後などは自宅での生活動作のリハビリを訪問リハで行い機能訓練の不足を通所リハで補うと目に見えて状態は良くなります。しかし退院直後ならその併用が認められますがある程度期間が過ぎ状態が安定した後は訪問リハビリは卒業する方向で進む事が多いと思います。制度的に介護保険が適用出来ない訳ではありませんが行政からのチェックの際に適正かどうかの判断や分析、責任がケアマネに割り振られる事が多く適切な理由付けが必要になります。ケアマネがきちんと因果含め説明出来るのならば良いですがそうした口頭弁術が得意でない人の場合もあります。訪問リハビリの利用の際は利用期間がなども考えておくことか大切です。

通所リハビリの心得

通所リハビリでは理学療法士作業療法士などが専門的に機能訓練を実施し生活機能の向上を目指します。

通所リハビリにも短時間と一日があります。デイと同じで介護度により料金は違います。介護度が高いほど料金は高いです。

注意点としてはデイと違って機能訓練を重視するのでデイよりも柔軟に細かい事までお願い出来ない事が多いです。デイでは迎えの訪問時に失禁していたり準備が出来ていない時に軽介助をしてくれる所もありますが、通所リハビリではまずありません。送り出しのヘルパーを入れてほしいとかあまりリハビリに熱心でないので効果が薄いなど言われてしまう事が多いです。特に認知症の利用者への柔軟な対応はデイなどの方が優れている事もあります。

逆に目に見えて効果的と思われるときは退院直後です。長期入院のためになまってしまった身体を機能訓練にて回復させる。そうした役割の時は非常に効果的です。リハビリはじめから1か月~3か月までの間は利用者に会うたびに目に見えて動きが良くなっている事があります。

通所リハビリの導入時に気を付けるべきことがいくつかあります。

まず通所によっては卒業が強引な所がある。リハビリには卒業というものがあります。これは機能の回復がひと段落ついたところでもうリハビリに通う必要はないと判断される事です。リハビリでは機能の回復や必要性について評価するのですが事業所によっては卒業に熱心な所もあり利用者の生活にメリハリや若干の惰性で通う事を認めない所もあります。(リハビリの本来の目的からは卒業は当然で良い事ですが・・)

そのためにデイと通所リハの違いをしっかりと把握して利用する事を勧めます。

その他にも通所リハビリは併用は望ましくありません。これは制度的な兼ね合いもありますが通所リハビリの併用はケアマネは調整しない事が多いかと思われます。

通所リハの内容ですが一日型のリハビリでもがっつりとリハビリ専門職がそばについてリハビリ指導する事はありません。たいてい1日の中でリハ専門職がそばについて指導する時間は多くても40分くらいと考えた方が良いです。リハビリと名前が付きますが内容がそこらの大規模デイとそんなに変わらない活動量の所もあります。筋肉は死ぬまで成長するとは言われますが必要な要素が丁度よい程度の運動や生活の補助や介護であるならば普通のデイでも十分かと思います。事業所の特性や利用する事で期待する効果を良く見極めて活用しましょう。